養蜂場日記
朝もやの中・・・2
2008年7月12日 / 養蜂場日記
しつこく・・・ 朝もやに煙る羽束山です。実は私の住まいから、この羽束山にそっくりの山が見えます。うちの周辺地域一帯を守ってくれている、聖なる山だそうです。柔らかな山なみの中に、そこだけがくっきりと三角にそびえています。近所の人は「おむすび山」と呼んでいますが、正式には「天宮山(てんぐうざん)」というらしいです。
朝もやの中・・・
2008年7月11日 / 養蜂場日記
暑い日が続きます。蜂たちの巣箱の暑さ対策は万全ですが、作業するほうは大変です。それで、夜明け前から養蜂場に出掛け、なるべく涼しい内に仕事を済まそうと必死でやっています。それでも、作業着は汗でビッショリ!途中で何回か着替えをしなければならない程です。写真は朝もやに霞む羽束山、養蜂場から見た景色です。暑い昼間とうって変って、神秘的な雰囲気です。昨夜も蜂たちを見守ってくれて、ありがとうございます、とまず挨拶をしてから、仕事に取り掛かっています。
いよいよ!
2008年5月18日 / 養蜂場日記
今、蜜絞りの真っ最中、朝3時過ぎに家を出て、4時過ぎから始めます。ふと気が付くともうお昼過ぎ、朝も昼も食事をする事も忘れてやってた、なんて事もしょっしゅうです。ひたすら夢中になってやっています。そして貯まった蜂蜜を見て、よくもこれだけ集めてくれた!と感嘆しています。蜜蜂が一生の間に集める蜜の量はたったの「スプーン1杯」なんです。ですから、これだけ集めるのに一体どれだけの蜜蜂達がどんなに頑張ったかと思うと、胸がいっぱいになります。蜂さんに感謝感謝!!です。1滴も無駄にはできません。この貴重な蜂蜜を、もうすぐ皆様にお届けできます。今年は3月まで厳しい寒さが残ったために、蜂の活動も、蜜源植物の開花も遅れました。ご予約頂いていたお客様をお待たせしてしまい、お詫び申し上げます。間も無くお届けできますので、もう少しだけお待ち下さいませ。
山桜
2008年4月14日 / 養蜂場日記
お伝えしたように、ここは春の訪れが遅いので、今が桜の見頃です。緑の山の中、あちこちにピンクのフワッとしたかたまりがあり、あんな所に桜があったんだ!と発見する毎日です。以外に知られていませんが、桜はとても良い蜜源です。蜜蜂達は桜に群がり、足に桜の花粉をいっぱい付けて帰って来ます。桜はとても美味しい蜂蜜になります。もうすぐ、その桜の蜂蜜を皆様にお届けできます。どうぞお楽しみに!!
遅い春・・・
2008年4月14日 / 養蜂場日記
里山にある養蜂場では、春の訪れが10日ほど遅れています。また昼間は暖かくても、朝晩は急激に温度が下がります。そんな中、タンポポが明るい黄色の花を咲かせました。気温が10度を超えると、これまで越冬していた蜜蜂達が活発に活動を始めます。養蜂場もブンブンと言う蜂の羽音でいっぱいになり、俄然活気付いてきました。女王蜂は盛んに卵を産み、毎日新しい蜂が次々に誕生しています。これからが、私たちが一年で一番忙しく、そして充実した日々の始まりです。
ニューフェイス
2008年3月30日 / 養蜂場日記
今年もまたモクレンが見事な花を咲かせました。甘い香りが周囲に漂っています。毎年、本格的な春の到来を告げる純白の花。この花が咲き出す頃には、巣箱の中では数千の新しい命が生まれ始めています。厳しい冬を乗り越えた昨年生まれの蜂に代わり、新しく誕生した蜂たちが、春から夏にかけての主役に躍り出てくるのです。咲き乱れる花々の間を飛び回り、花蜜を集める仕事に励むことになるのです。これからの季節、私達が目にするミツバチは、この春生まれた新しい世代のニューフェイスなのです。
オペラ座の蜂蜜
2008年3月8日 / 養蜂場日記
先日、友人がフランスからのお土産にオペラ座の蜂蜜を買ってきてくれました。パリオペラ座の屋根の片隅で飼っている蜜蜂達が集めた蜂蜜です。どんな味がするのか、興味深々でした。
片手に乗るような小さなビン、高さは10センチ程ですが、一つ2,000円もしたそうです。舐めてみると、不思議なハーブの味がしました。パリの街路樹マロニエの蜜でしょうか。
オペラ座の蜜蜂達も、一生懸命蜜集めに飛び回っていると思うと、何だかいとおしいような気持ちになりました。
春!!
2008年3月8日 / 養蜂場日記
待ちわびた春の到来です。冬の間、巣箱の中で胞球を作って越冬していた蜂達も、春の到来を心待ちにしていた事でしょう。
3月に入り、巣箱の中を点検しました。1群の漏れもなく、全ての巣箱の蜜蜂達が無事に越冬できた事を確認しました。とても嬉しいことです!そして気温が10度を超えると、蜜蜂は巣箱を飛び出し、蜜を集めに出掛けます。今日、その賑やかな飛行が見られるかも知れないと思うと、心が躍ります。
養蜂をやっていると、季節の移り変わりにとても敏感になります。そして、そんな生活ができる事にも感謝です。
越冬
2008年2月14日 / 養蜂場日記
蜜蜂は群のままで越冬して春を待ちます。冬眠するのではなく、巣箱の中で球状に密集し、体を小刻みに震わすことで熱を発して、凍えることなく、厳しい冬を乗り越えるのです。安全な越冬のために、養蜂家はとても神経を使います。
発熱のために体を動かすエネルギーの元は蜂蜜です。蜂は自分達の蓄えた蜜(貯蜜)を食べることによってエネルギーを得ているのです。外気温が低くなればなるほど貯蜜の消費は大きくなります。
越冬開始は年によって違いますが、昨年は12月初めに越冬に入りました。準備としては越冬に必要な貯蜜の量を確認し、足りない群には補充し、蜂数の少ない群は合同させることで、越冬に耐えうる群勢を整えます。そして、外装も写真のように、発泡スチロールに似た「スタイロフオーム」の外箱をすっぽり被せて、厳しい冷え込みや寒風を防ぐように工夫しました。
年明けの1月8日に内部検査(養蜂用語で内検という)をして、全群の越冬が順調に推移しているのを確認しました。寒さの厳しい間、女王蜂は産卵を中止していますが、立春の頃から再び産卵を開始します。今は静かに春の訪れを待つ蜂達。ゆっくり休養して、花の季節に思いっきり活躍してほしいと思います。
愛すべき隣人達 ~不如帰(ほととぎす)~
2008年2月4日 / 養蜂場日記
5月。養蜂家の一番忙しい季節。忙しく動き回りながら、思わずため息まじりに、「う る さ い な ~」 と呟いています。
おかしな声が聞こえるのです。どうも 「テ ッ ペ ン ハ ゲ タ カ」と言っているようです。
近年、頭頂部に異変を起こしている私には、とても気になる声なのです。犯人は? ホトトギス。例の他種の鳥の巣に卵を産む“托卵”でも有名な鳥です。大きな声で「テッペンカケタカ」と鳴く奴です。
彼らの声は、5月中頃から6月いっぱいぐらいまで聞くことができますー
いや、聞かされます。それこそ 一日中“テ ッ ペ ン ハ ゲ タ カ”です。
ケケ~ン ケケ~ン、ホーホケキョ ケキョケキョ、テッペンカケタカ
他にもトンビ、カラス、ホオジロ、カワラヒワ、コジュケイ などの ピーヒョロロ~、クワ~クワ~、ゲンペイツツジシロツツジ、ジュジュ~ンジュジュ~ン、チョットコイ チョットコイ などという鳴き声が混じりあいます。
本当に楽しく、騒がしく、陽気な山里の春がもうすぐ始まります。