養蜂場日記
出戻り分蜂
2013年5月6日 / 養蜂場日記
ひときわ大きな羽音が響き始めました。
やってくれました!またまた分蜂です。
この忙しい時に、少しは遠慮してくれよ~と言いたくなります。 巣門からは湧き出すように蜂が飛び出しています。
すぐに巣門にトラップを仕掛けます。働き蜂は通り抜けられますが、身体の大きな女王蜂とオス蜂は、入ると出られなくなる仕掛けになっています。
分蜂は女王蜂がいなくては成立しません。いったん巣箱を飛び出した万を越える働き蜂たちは、女王蜂がいないことに気付くと、いっせいに巣箱に戻り始めます。
写真は戻ってきた蜂たちがトラップの周囲を取り囲み、大きな団塊になった状態です。
我も桜!
2013年5月5日 / 養蜂場日記
その名は”ウワミズザクラ”
白いブラシのような花をつける一風変わった桜の仲間です。
ソメイヨシノが終わり、その後に盛期を迎えるのが山桜。
そして山桜の開花が一段落する頃、登場してくるのがこの“ワレモサクラ”君。
6年前、養蜂場に植えた2本の苗木が成長し、今年、初めてその1本が花をつけてくれました。
そろそろ咲くのではと思っていた矢先でしたが、何気なく向けた目にその白い花が飛び込んできた時は、やはり嬉しく、思わず声を上げていました。
未だ花の数は少なく、よく見ないと見落とすぐらいですが、いずれ樹木全体が白く見えるほど見事な姿を披露してくれるでしょう。
名歌手“イソヒヨドリ”
2013年5月3日 / 養蜂場日記
早朝から作業を始めている養蜂家の耳に、ひときわ澄み切った鳴声が聞こえてきました。
一日の幕開けにふさわしい、朗々とした歌いっぷりに思わず聞きほれてしまいます。
最初の頃は“黒ツグミ”だと思っていたのですが、たまたま、家の近くの梢で鳴いているのを目撃して、この名歌手がイソヒヨドリであると確信しました。
本来は磯や海辺の断崖などに生息している鳥です。海から遠く離れた山間部にある養蜂場で鳴声を聞けるはずがないと思っていましたが、“内陸部に住み着くこともある”という説明、“宝塚の市街地で目撃”という事実から、イソヒヨドリであると確信するにいたりました。
名前からヒヨドリの仲間と思ってしまいますが、正しくは“ツグミ科”の鳥だそうです。
写真がうまく撮れなかったので、ウィキペディアからお借りしました。
事件発生!
2013年5月1日 / 養蜂場日記
巣門の前で働き蜂が円陣を組んでいます。
真ん中に何かがいます~~それは女王蜂でした。
息絶えた女王を真ん中にして取り囲み、複数の働き蜂が動かずにただじっと見つめています、まるで女王の死を悼むかのように・・・
養蜂場ではいつも何かが起こっています。
女王の失踪・突然死も珍しいことではなく、よくあることの一つなのです。
ミツバチの世界を垣間見る時、驚いたり、感動したりすることのなんと多いことか!
“神秘の昆虫”といわれる所以はそんなところにありそうです。
思い出の味
2013年4月30日 / 養蜂場日記
ナワシログミ。
田植えが近付く頃、赤く熟して食べごろを迎える野生のグミ。
九州で過ごした幼い時代、遊び仲間と家の近くの雑木林で夢中になって食べた、懐かしい思い出を運んでくれる季節の果実です。
甘酸っぱい味とともに、サブちゃん、マサコちゃん、ツヨシちゃんなど、懐かしい仲間の嬉しそうな顔が蘇ってきます。
養蜂場のすぐ近くに、偶然2本のナワシログミの木を見つけたのが数年前。
以来、他の誰も知らない“私だけのグミ”として、この季節になると、仕事の合間に実の熟れ具合を確認するのが日課の一つになっています。
タイミングを外すと、ある日、全ての実が忽然と姿を消してしまうのです。
そうなのです!狙っているのは私だけではないのです。
目撃していないので定かではないのですが、おそらく“ヒヨドリ”か“ムクドリ”君たちでなないかと疑っています。
今日はこれだけ(写真)、とりあえず頂くことにしました。
次から次ぎに熟していきます。毎日楽しみですが、もちろん、鳥くんたちにもちゃんと残すようにしています。ご安心を!
ちょっと来い~ えっ?
2013年4月28日 / 養蜂場日記
今日も朝から元気な鳴声が聞こえてきます。
チョットコイ チョットコイ チョットコイ
大きなよく透る声です。その名は“コジュケイ”。
鳴声から取った“チョットコイ”の方が分かりやすいかも知れません。
原産地は中国南部、日本には1919年に持ち込まれ、東京都と神奈川で狩猟用として放鳥されたものだそうです。
今では本州南部、四国、九州の人々にとってはごく身近な存在として親しまれています。チャボくらいの大きさで、 生息するのは草原、森林、竹林、農耕地など広い範囲にわたり、養蜂場の周囲でもひんぱんに目にします。
5月、6月になると7~8羽の子供をつれたコジュケイ夫婦に遭遇し、思わず見とれてしまうことも。
先日は養蜂場の入り口で餌を探しているコジュケイがいました。
鳴声を聞くと不思議と元気が出てくる、山里を代表する鳥です。
分蜂
2013年4月22日 / 養蜂場日記
巣箱の中に蜂が溢れるような過密状態が長引くと、巣分かれ、すなわち“分蜂”という行動が起きます。
女王蜂を中心に、全体の3分の一ほどの働き蜂が、新天地を求めて巣から出ていくのです。
この時、すでに巣の中には新しい女王の幼虫が育っている“王台”が数個準備されています。
ほとんどが、晴天で風もなく暖かい日中(午前10時ごろ~午後3時ごろ)に起こります。
巣門から万を越えるミツバチが湧き出して、空中で渦を巻いて飛び交う様子は壮観そのもの。
大半が5月から6月に集中しますが、今年は4月17日に予想外の分蜂が発生しました。
灰神楽ならぬ“蜂神楽状態“。飛び回る蜂の数もさることながら羽音もすさまじく、初めて経験する人は肝をつぶすかも知れません。
しかし、養蜂家にとってはよくあることの一つ、ミツバチが近くの木の枝などに団塊を作って静まるのを待ち、群れを収容、そして一件落着となります。
誕生ラッシュ!
2013年4月21日 / 養蜂場日記
3週間(21日)で成蜂として誕生する働き蜂。
3月半ばから女王蜂の産卵が盛んになりますが、その数は一日に1000~2000個になります(勿論、1匹の女王蜂の産卵数です)
そして今現在、それらの卵から孵ったミツバチたちが、成蜂となって続々と生まれ出てきています。
1日に1000匹から2000匹が、新しいメンバーとして群れに加わることなるわけです。
“三日見ぬ間の蜂の巣”と言われますが、2~3日の間に巣の中の様相ががらりと変わるのがこの季節。ミツバチたちが、ありとあらゆる空間に所狭しと埋まって?います。
巣箱の蓋の内側まで、ミツバチ達でびっしりと埋め尽くされています(写真)。
こうなると、継箱といわれる貯蜜専用の箱を継ぎ足して空間を広げ、さらに多くのミツバチが収容できるようにしなければなりません。
白い桜
2013年4月17日 / 養蜂場日記
我が家の“養蜂家”兼“季節のお花配達人”が、昨日、白い花の付いた小枝を持ち帰りました。
今ごろ桜?しかも真っ白!
養蜂場のある里山は、この辺りの住宅地よりも気温が低く、季節が遅れてやってきます。
桜をはじめとして、季節の花の開花も当然遅れています。でも、さすがに今ごろになって満開になるのは八重桜のはず・・・
実はこれは梨の花だそうです。
5枚の白い花びらの中心が淡い緑色で、桜の花にそっくりです。今迄目にしたこともあったかも知れませんが、白い桜が咲いてるな・・・としか思わなかったのかもしれません。
この辺りでも、秋になるとあのサクサクした歯ざわりの青い実が成るのかな・・・?
梨:4月頃、桜から1週間ほど遅れて開花する。白い5弁花。
風があると実が実らないことから「風なし」これがしだいに変化して「なし」になった。
「梨」は漢名。
養蜂家妻