こぶし
2011年4月6日 / 養蜂場日記
4月になっても、そこまで来た春が息を潜めて足踏みしているような日が続いていました。
悲しみに覆われた私達の気持を表しているかのように、桜も固い蕾を開くことなく日が過ぎていました。
そんなある日、近所を歩いていると、目の前に淡いピンクの雲のようなものが青空に浮かんでいるのが目に入りました。
桜!しかも満開!
でもこんなところに桜の木があったかな・・・
不思議に思いながら近付いてみると、それは美しいピンクの衣をまとったこぶしの木でした。こぶしの白い花は見慣れていますが、ピンクは初めて目にします。
ちょうどその時、自転車に乗った親子連れが通りかかりました。
前を走って来た男の子が「お父さ~ん、桜が咲いてるよ!」と叫びました。すると、すぐ後ろから来た父親らしい人が「いや桜じゃない、こぶしの花だ!綺麗だな~」と言いながら通り過ぎて行きました。
それは青空に浮かぶ天女のような清らかな姿でした。
養蜂家妻 記
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