煙とハチ
2010年5月17日 / 養蜂場日記
養蜂家の必需品に燻煙器があります。文字通り、燻(いぶ)して煙をだす道具です。
その昔、ミツバチが野生であった頃、森や林ではよく火事が起きていました。その度に、彼らは緊急避難をしなければなりませんでした。
何も持たずに逃げ出しては、後の生活に影響が出てきます。貯めてあった蜜を大急ぎでお腹に詰め込んで避難していたのです。
人間の手で飼育されるようになった現在でも、煙に出会うと本能的に行動してしまうのです。
蜂蜜でお腹がいっぱいになると機嫌がよくなり、よほどのことがない限り人を刺すことはありません。煙を使って蜂をおとなしくさせるなんて、先人も面白いことを考え付いたものですね。
燃やすものは植物性の繊維であれば問題なし。間違っても化学繊維を使ってはいけません。その刺激臭に彼らの怒りが爆発してしまいます。
たいていの養蜂家が、コーヒー豆専用の空麻袋を使っています。
海外からコーヒー豆を詰めて日本に着いた麻袋は、ほとんどが使い捨ての状態、とても安く手に入ります。燃やし易いように小さく裁断していると、残っていた豆がぼろぼろとこぼれ出たりします。
こんな時はついつい、南米や東南アジアのコーヒー農園を想像し、遂にはそこで採れる“コーヒー蜂蜜”にまで行き着くのです。ちなみに、ベトナムはこのコーヒー蜂蜜を輸出しているそうです。
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