養蜂家の必需品 その2:薫煙器(くんえんき)
2009年6月18日 / 養蜂場日記
養蜂家は日常的に巣箱内部のチェックをして、コロニーの状況を把握しておかなければなりません。この作業を内検(内部検査)と言います。
ミツバチを興奮させないで、スムーズに内検をするために使われるのが、この燻煙器です。
巣箱の蓋を開けて、ゆったりとした感じで、全面に煙を吹きかけます。そうすることによって、ミツバチ達に、ある“勘違い”をさせるのです。
ミツバチの遺伝子の中には「山火事」の情報がインプットされています。山火事が起こった時、ミツバチの取る行動は巣から避難することですが、その際、貯めていた蜂蜜をお腹いっぱい詰め込んで、安全な場所に避難するという本能的な行動を取るのです。
燻煙器の煙で山火事を想起させると、ミツバチは蜜枠に張り付くようにして、一斉に貯蜜を食べ始めます。それ以上は煙をかけずにそっとしておくと、貯蜜でお腹をいっぱいにした蜂たちは、最初の興奮状態から開放され、穏やかに行動するようになります。
その間に、手早く内検を終えれば、無用の混乱を避けることが出来るのです。
煙の材料は天然の植物性のものを使います。間違っても、化学繊維などは使ってはいけません。宝塚はちみつではコーヒー豆の麻袋、いわゆる“ドンゴロス”を利用しています。
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